河野製作所グループ

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ORIHIME開発エピソード

ORIHIME
~手術を助ける製品から患者様を助ける製品へ~

  • ORIHIMEは、骨盤臓器脱手術に用いられるPTFE製のメッシュです。
    骨盤臓器脱という病気をご存じでしょうか。この病気は出産や加齢によって女性なら誰しもが罹りうる病気で、膣から膀胱や子宮、腸などの骨盤内の臓器が出てくる状態のことです。症状の悩みを抱えている方は多いと言われていますが、恥ずかしさからなかなか周りに打ち明けられなかったり、社会活動を諦め寝たきりになってしまう方もいらっしゃいます。

    開発当時、骨盤臓器脱手術用のメッシュとして使われていたのは海外製のメッシュでした。
    安定供給が見込め、安全な国産メッシュの必要性を感じた医師から依頼を受けたのが、開発のきっかけです。開発には多くの課題が見込まれましたが、困っている女性が一人でもいるのなら、その生活を守りたい。その強い思いで開発をスタートしました。

  • 開発にあたってこだわったのは素材とその加工方法です。当時骨盤臓器脱手術ではPP(ポリプロピレン)が使用されていましたが、その特性上術後に痛みを感じる場合があり、患者様の生活の負担になってしまっていました。そこで当社では、術後の生活まで考えた製品づくりを目指し、柔らかく不活性の素材であるPTFEを採用しました。

    PTFEは加工の難易度が高く、開発過程では編み方や強度など様々な壁が立ちはだかりました。しかし当社の強みは「徹底した顧客主義」であることです。何度も失敗を繰り返しましたが、この信念に従い妥協を許さずチャレンジを続けました。こうして一人一人が熱い想いでプロフェッショナルな仕事をしてきた結果、ついに、安心してつかえる国産メッシュが完成し、困っている女性たちへ届けることができました。

    現在では、ORIHIMEは医師だけでなく、骨盤臓器脱患者の皆様からも評価を頂いております。
    これまで当社の製品が担ってきた“術野でのサポート役”の枠を飛び越え、患者様の“人生のサポート役”を担う製品となった「ORIHIME」の誕生は、多くの女性にとっても、河野製作所にとっても、大きな躍進をもたらすものとなりました。

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